回線数1000万件達成の意味
楽天グループ傘下の楽天モバイルは、携帯電話の全契約回線数が1000万件に到達した。2025年内の目標として掲げていた水準であり、参入からの拡大局面に一つの区切りをつけた。会見では、これまでの基地局整備や料金施策の積み重ねが成果につながったと説明された。
低価格戦略と業界への影響
同社は参入当初、低廉な料金体系で利用者を獲得し、国内の通信料金競争を活性化させた。データ通信量に着目した柔軟なプラン設計は、既存大手の価格改定を促す要因となった。一方で、インフラ投資の負担が収益を圧迫し、経営面での課題も残した。
転機となった新プラン導入
2023年に開始した「最強プラン」は、他社回線の活用により通信品質を補完し、データ利用の多い層を取り込んだ。若年層を中心に契約数が回復し、法人契約の拡大も進んだ。周波数割り当ての改善も、つながりやすさ向上に寄与した。
ARPUと損益構造の現状
足元のARPUは2025年7〜9月期で2137円と、前年同期比で小幅な上昇にとどまる。損失は縮小傾向にあるものの、Non-GAAP営業損益は赤字が続く。回線数の拡大から、収益を生む構造への転換が急務となっている。
地方・高齢層開拓への展望
今後は都市部以外の利用拡大や高齢者層の取り込みが焦点となる。価格と利便性の両立を掲げ、より幅広い利用者層への浸透を図る考えだ。回線数の積み増しと収益性改善を同時に進められるかが、次の成長段階を左右する。