経団連が賃上げ方針を転換、春闘で柔軟対応を容認

市原 陽葵
经过
読了目安: 6 分

賃金対応を巡る経団連の姿勢変化

経団連は2014年春闘に向け、経営側の交渉指針となる経営労働政策委員会報告を公表した。報告では、賃金引き上げについて「ここ数年と異なる対応も選択肢」と明記し、従来の慎重姿勢から一歩踏み込んだ内容となった。2013年報告で賃上げを否定していた姿勢からの転換であり、6年ぶりに賃上げを事実上容認する表現が盛り込まれた。

企業収益の改善と政策環境の影響

報告では、企業の経営環境が大きく改善している点が強調された。円安を背景に輸出企業を中心に収益が拡大し、設備投資や雇用への余力が生まれていると総括した。リーマン・ショック後に定期昇給凍結まで議論された状況から一転し、賃金を巡る議論の前提が変化したことが示されている。

多様な賃上げ手法を提示

賃金引き上げの具体策として、賞与や一時金への反映だけでなく、特定層の賃金水準引き上げや諸手当の改定などが挙げられた。ベースアップについても否定せず、各企業が自社の状況に応じて判断する余地を残した。物価動向を踏まえた労使協議の重要性も盛り込まれている。

労使交渉と春闘の焦点

経団連と連合は労使フォーラムを通じて本格的な春闘交渉に入った。労働側は定期昇給の維持に加え、ベースアップを求める方針を示しており、経営側がどの程度応じるかが注目された。一時金にとどまらず、恒常的な賃金改善が広がるかが交渉の焦点となった。

好循環実現を意識した対応

経団連幹部は、賃上げを通じて個人消費を下支えし、景気回復につなげる必要性に言及した。政府が掲げるデフレ脱却や経済の好循環と歩調を合わせる姿勢を示し、企業の努力とともに成長戦略の実行を政府に求める構図が明確になった。

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