技能実習見直し後の新制度が示す外国人材受け入れの全体像

河本 尚真
经过
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制度転換を背景とした政策議論

技能実習制度を巡る課題を受け、政府は外国人材受け入れ制度の再構築を進めている。その中核となるのが、新設される在留資格「育成就労」である。政府は制度開始を2027年度とし、その運用方針について有識者会議で最終的な整理を行った。

人数上限を設けた受け入れ計画

新たな方針では、育成就労と特定技能の受け入れ人数に明確な上限を設定する。育成就労は制度開始から2年間で約42万6,000人、特定技能は2028年度末までに約80万5,000人を上限とする。両制度を合算した約123万人が、政府の想定する受け入れ規模となる。

分野別の人手不足を反映した算定

受け入れ人数は、農業、建設、工業製品製造業など17分野における人手不足の状況を基に算出された。単純な不足数ではなく、国内人材の活用や生産性向上による補完可能分を考慮した点が特徴である。これにより、過度な受け入れを避ける狙いがある。

就労環境改善を意識した制度設計

育成就労では、就労開始から一定期間が経過すれば、本人の意思による転職を認める。これは、転職制限が強かった技能実習制度の反省を踏まえた対応であり、失踪問題の抑制や労働条件の是正につなげる目的がある。

制度確定に向けた政府の最終判断

有識者会議では大きな反対意見は示されず、政府は最終調整を経て閣議決定を行う構えである。新制度は、外国人材政策の転換点として、今後の運用状況が注目される。

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