据え置き判断と背景整理
日本銀行は2026年1月の地域経済報告(さくらリポート)で、全国9地域の景気判断を据え置いた。各地域の表現は「緩やかに回復」や「持ち直し」などで、前回の判断を踏襲した。米政権の高関税政策を巡る不透明性が和らぎ、企業の先行き見通しに一定の改善がみられた。
関税不透明感の後退と企業心理
日米の関税交渉合意などを背景に、関税に関する不確実性が低下したと位置付けられた。米国で設備投資需要の強まりがみられ、輸出の先行き増加を見込む声が上がった。半導体関連投資が活発化し、受注が改善傾向にあるとの報告も出ている。
賃上げ継続と実質賃金の課題
収益の改善傾向に加え、人手不足が長期化していることから、2026年度も賃上げを続けるとする企業の報告が相次いだ。実質賃金がマイナス傾向にあるなかで、物価上昇に見合う賃金確保が論点として意識された。地域の声には前向きさがある一方、賃上げの広がりには差も残る。
日中関係悪化で観光に影
不安材料として、日中関係の悪化が企業の警戒事項に浮上した。中国政府による渡航自粛の呼びかけを受け、宿泊業では団体予約のキャンセルが相次ぐとの声が出た。2月の春節期に日本を訪れる中国人観光客が減ることを不安視する意見も示され、消費関連への影響が注視されている。
輸出管理強化の内容を注視
中国は2026年1月6日、日本向けの軍民両用(デュアルユース)品目の輸出管理強化を発表した。規制の具体的な内容や強度によっては影響が及ぶとみる企業が相応にいるとの指摘があった。日銀の支店長からは、日中経済が多様な形で結び付いているとして、今後も状況を丁寧に見極める必要があるとの認識が示された。