巨額投資を背景に広告活用へ踏み出す生成AI事業

嶋田 拓磨
经过
読了目安: 5 分

開発投資拡大と経営判断の背景

OpenAIは、生成AIの開発に多額の資金を投じてきた。月間売上高は約17億ドルとされるが、今後8年間で1兆4,000億ドルを投資に振り向ける計画を掲げている。こうした先行投資の回収が経営上の重要課題となる中、広告導入は収益力を高める手段として位置付けられている。

試験導入の対象と範囲

広告表示は米国で先行して試験的に開始される。対象は無料利用者と新設の月額8ドルプランで、利用者の質問内容に応じた広告が表示される仕組みだ。既存の高額有料プラン利用者には表示されず、利用形態による明確な線引きが行われている。

回答と広告を分離する設計

OpenAIは、広告を回答本文から切り離して表示する方針を示している。広告は回答の下部に配置され、情報提供そのものに直接影響を与えない形が取られる。対話型AIとしての信頼性や中立性を維持するための措置といえる。

無料会員中心の利用実態

ChatGPTの利用者構成では、無料会員が圧倒的多数を占める。週間利用者8億人超に対し、有料会員は約5%とされ、利用規模と収益規模の間に大きな差が存在している。広告導入は、この利用実態を踏まえた収益モデルの再設計といえる。

広告市場への影響と今後の焦点

既存のデジタル広告市場は少数の巨大IT企業が高いシェアを握っている。生成AIを活用した広告表示は、従来型とは異なる接点を生み出す可能性がある。OpenAIの試みが、広告市場にどのような変化をもたらすかが今後の焦点となる。

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