システム障害と物流影響
アサヒグループホールディングスは2025年9月のサイバー攻撃により業務システムに障害が発生した。その後、受注機能は復旧したものの、配送面では遅延が続いていた。2月12日、同社はビールや飲料の物流体制が平常状態に戻ったと発表した。納入までの期間も従来どおり中1日へと短縮された。
月次実績の再開と減収
アサヒビールは1月の国内ビール類売上高が前年同月比11%減だったと明らかにした。詳細な月次データの開示は約5か月ぶりとなる。システム障害以降は酒類全体の概算値にとどめていたが、供給体制の回復を受けて通常の情報開示に戻した。2025年の年間売上高も前年比4%減だった。
ブランド別の動向分析
主力のスーパードライは1月に販売数量が9%減少した。発泡酒や第三のビールも前年実績を下回った。通年ではスーパードライが6917万ケースと前年より6%減少している。現在は販売規模の大きい商品を優先的に出荷しており、4月までにすべての商品の供給体制を整える計画だ。
ビール市場の販売動向
大手3社の合計販売数量は前年同月比1%増だった。家庭用缶と業務用瓶・樽がともに1%増となった。ビールカテゴリーは6%増加し、価格帯の低いジャンルは4%減少した。キリンの一番搾りとサッポロの黒ラベルが各5%増となり、市場をけん引した。
正常化後の経営課題
物流の回復により供給面の制約は解消されたが、販売の立て直しが今後の課題となる。酒税改正によるビール減税を契機に各社が競争を強める中、アサヒはブランド力と供給安定をどのように売上回復に結び付けるかが問われている。4月の全面出荷正常化が重要な節目となる。