2030年へ進む空港税関手続きの完全電子化
財務省は6月23日、空港で行う税関手続きを2030年までに全面的に電子化する方針を示した。日本に入国する際に必要な「携帯品・別送品申告書」の提出を、紙ではなく電子手続きへ移す内容となる。政府が掲げる訪日外国人客年間6000万人の目標を見据え、入国時の利便性を高める狙いがある。
紙申告が約半数残る入国現場の課題明らかに
税関申告は2019年に電子化が導入され、現在もスマートフォンやウェブサービスを使った事前申告が可能となっている。しかし、2026年4月時点でも申告の約半数は紙で行われている。入国審査後に荷物を受け取った後、税関検査場で列ができる要因の一つとなっている。
QRコード活用で税関通過時間を短縮へ進展
電子申告では、ウェブ上で氏名や住所などの情報を入力し、表示されたQRコードを使って手続きを進める。財務省は今後、空港内で電子申告に使う端末を大幅に増やし、紙による確認を減らす。税関職員による特別な確認が不要な入国者については、立ち止まらずに通過できる方式の実現を目指す。
訪日客6000万人目標に向けた受け入れ強化
政府は2030年に訪日外国人客を年間6000万人に増やす目標を掲げている。昨年には訪日客が初めて4000万人を超えており、空港での受け入れ体制の強化が重要になっている。税関手続きの電子化は、入国時の混雑を抑え、旅行者の移動を円滑にする施策として位置付けられる。
待ち時間削減へ税関制度の転換が進む局面に
今回の方針は、税関手続きを紙中心から電子中心へ切り替える制度変更となる。待機時間の短縮だけでなく、税関職員の業務負担を軽くする効果も見込まれている。訪日客の増加に対応するため、2030年までの完全電子化に向けた環境整備が進められる。