安全性に揺らぐロボタクシー、テスラの野望に試練

浅川 涼花
经过
読了目安: 6 分

公道デビュー直後から不審な挙動が相次ぐ

テスラが米国で初めて一般向けに実用化したロボタクシーは、22日の運行開始から立て続けに問題を露呈した。進入禁止の車線に迷い込む、交差点中央で停止するなど、公道を走るには不適切な運転挙動が目立っており、乗客からも不安の声が上がっている。

システムの不安定さが乗客に直接影響

報告によると、障害物がないにもかかわらず急ブレーキが作動し、乗客が前方に投げ出される場面があったという。また、車内の荷物が床に散乱した例もあり、乗車中の安全性が十分に確保されていないことが浮き彫りになった。スピードの急変化や縁石への乗り上げも見られた。

技術的欠陥への評価と専門家の分析

ロボタクシー分野で評価が高いカーネギーメロン大学の専門家は、問題の多さとその早期露呈に驚きを示した。教授は、十分な実地検証が行われていない可能性や、市販に踏み切る判断の早さが裏目に出た可能性に言及している。現段階では、テスラの自動運転技術に対し、技術的信頼が揺らぎつつある。

モニターによる手動介入が安全を支える現状

本来は自律的に走行するはずのロボタクシーだが、安全確保のため助手席に常時監視員が同乗している。ある映像では、突如後退する車両を避けるため、監視員が車両を緊急停止させている場面が確認された。これは完全な自動運転に依存できない現実を象徴している。

テスラは説明責任を果たさず、行政側が対応を検討

現時点でテスラは一切の説明を行っておらず、透明性の欠如が指摘されている。市当局は投稿された動画を把握しており、今後、安全上のリスクが報告された際には速やかな企業との情報共有を進めるとしている。技術革新と安全管理のバランスが問われる局面に入った。

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