欧州と中国で販売苦戦、テスラの勢いに陰り

浅川 涼花
经过
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政治的スタンスがブランド価値に影を落とす

米EV大手テスラは、2025年4〜6月期の納車台数が再び減少する見通しで、背景にはイーロン・マスクCEOの政治姿勢への批判がある。極右勢力への支持表明などがブランドイメージを損ない、消費者離れを引き起こしているとされる。

欧州で5カ月連続の前年割れ、27.9%の大幅減

欧州自動車工業会の最新統計では、2025年5月のテスラ車販売は前年比27.9%減。5カ月連続で前年実績を下回っており、政治的要因に加え、コスト競争力で劣る現状も浮き彫りとなった。

中国勢の攻勢で価格競争が加速

中国市場では、低価格帯EVを投入する地元メーカーの攻勢が続いており、テスラの優位性は徐々に揺らいでいる。価格競争力が重要となる中、プレミアム価格帯に位置するテスラ車は苦戦を強いられている。

改良モデルの投入も需要喚起には至らず

テスラは今期、主力車種「モデルY」の刷新を行い、販売回復を図ったが、投資家であるロス・ガーバー氏は「新型が旧型と大差なく、販売増は見込めなかった」と述べている。一時停止した生産の反動も見られず、販売回復の効果は限定的だった。

2四半期連続の納車減で投資家に不安感

ビジブル・アルファによると、アナリスト23人の平均予測では、4〜6月期の納車台数は約39万4,000台と、前年同期比で11%減。前四半期の減少に続き、2期連続でのマイナスとなる。成長企業としての評価に揺らぎが出始めている。

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