米企業が一堂に会し中国市場での存在感を演出
北京市で7月16日から始まった「中国国際供給網促進博覧会」には、米国の有力企業が多数参加し、国際的な注目を集めている。出展企業には、半導体大手のエヌビディア、電気自動車メーカーのテスラ、小売大手のウォルマートなどが名を連ねている。米中間の政治的緊張が続く中であっても、ビジネスの現場では相互依存の色が強まっていることが浮き彫りとなった。
エヌビディアCEOが中国語で連携姿勢を明示
開幕初日には、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者が登壇し、中国語を交えた演説を行った。フアン氏は「中国の最先端技術企業とは強固なパートナー関係を築いている」と述べ、緊張が続く米中関係とは対照的に、企業間では協力関係が深化している現状をアピールした。
中国副首相が経済回帰政策を間接批判
開幕式では、中国国務院副総理の何立峰氏が登壇し、「中国は世界の供給網の中心的存在だ」と主張した。米国を名指しすることは避けたが、「一部の国がリスク回避を口実に自国市場に干渉し、追加関税や制限措置で製造業を国内回帰させようとしている」と述べ、米国の経済政策に対する懸念を示唆した。
米政府がH20の対中輸出を承認
フアンCEOは、中国向けAI半導体「H20」に関して、米国政府が輸出を承認したと発表した。これにより、エヌビディアは中国との取引を継続できる体制を確保した形となる。輸出管理が強化される中での今回の承認は、業界で特筆すべき動きとされている。
日本企業も積極的に参加 鉄道・EV部品展示も
同展示会には、日本からもパナソニックホールディングスや住友電気工業、日本貿易振興機構(ジェトロ)などが出展している。パナソニックは鉄道用自動ドアや電気自動車向け部品を展示し、中国市場における技術提供をアピールしている。日本企業もアジア市場でのサプライチェーン構築に積極姿勢を見せている。