データセンター向け蓄電池が収益を下支え
パナソニックホールディングスの2025年4~6月期決算では、連結営業利益が869億円で前年同期比3.8%の増加となった。市場予想の982億円には届かなかったが、データセンター向け蓄電池や電子部品の好調が増益を後押しした。一方で、米国関税が58億円のマイナス要因となった。
売上高減少は子会社の非連結化が要因
同期間の売上高は1兆8966億円で前年同期比10.6%減となった。これは、昨年末に車載部品を扱う子会社オートモーティブシステムズを非連結化した影響によるもの。家電部門では日本市場が横ばいにとどまる中、中国市場では補助金効果により販売が増加した。
米国工場で車載電池の量産を開始
米カンザス州で建設中の車載用円筒型リチウムイオン電池工場は今月量産を開始予定で、第2四半期中に出荷を見込む。将来的には年間生産能力を32ギガワット時に引き上げる計画だが、到達時期は当初より遅れる見通しとなった。
EV市場への影響と長期的な展望
EV市場では米国補助金廃止や関税の影響で需要減速が懸念されるが、同社は「長期的には一定のEV化が進む」と見ている。車載電池の販売拡大を続けながら、市場動向に応じた価格改定で対応する姿勢を示した。
人員削減計画と経営陣の交代発表
構造改革として進めている1万人規模の人員削減では、国内で労組への説明を開始し、第3四半期以降に従業員の意向を確認する計画。併せて、子会社パナソニックコネクトの樋口泰行CEOが来年3月末で退任することも発表された。