サムスン、半導体不振もAIとテスラ契約で回復期待

小野寺 佳乃
読了目安: 4 分

営業利益が6四半期ぶり最低水準に

サムスン電子は4〜6月期決算で営業利益が4兆6761億ウォンと、前年同期比55%減となった。半導体部門の利益は前年同期の6兆5千億ウォンから4千億ウォンへと急減し、在庫調整や米国の規制が主因となった。

半導体市場の回復見通しを示す

同社はAI関連需要の拡大を背景に、下期以降の業績改善を見込む方針を明らかにした。広帯域メモリーの開発では、HBM3Eの供給を加速させるとともに、次世代HBM4のサンプルを顧客に提供し、来年の供給開始を計画している。

テスラとの契約で新たな収益源確保

テスラとの契約は、サムスンの半導体受託生産事業にとって大きな後押しとなる。イーロン・マスクCEOが明らかにした165億ドルの契約は、同部門の収益基盤を強化する効果が期待されている。

貿易摩擦と地政学が先行きに影

韓国製品への米国関税導入や地政学的緊張が続く中、サムスンは市場環境の不確実性を指摘した。こうしたリスク要因は投資家心理にも影響し、株価の変動要因となる可能性がある。

微増の売上高と投資家懸念

売上高は74兆6千億ウォンとわずかに増加したものの、半導体依存度の高さや競合他社に対する遅れが課題として残る。投資家の間では、AIや次世代技術への積極投資が業績回復の鍵とみられている。

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