上期決算で3年ぶりの増益を記録
資生堂は2025年1〜6月期の決算で純利益95億円を計上し、前年同期の1500万円から大幅に増加した。増益は3年ぶりとなる。売上高は8%減の4698億円だったが、構造改革によりコストが圧縮され、利益改善に繋がった。
国内外で進めた構造改革の成果
資生堂は2024年から国内従業員の早期退職や中国での店舗閉鎖といった改革を推進してきた。これらの措置が固定費の削減に寄与し、コア営業利益は233億円(前年比21%増)となった。中国での販売は依然として苦戦しているが、一定の効果が表れている。
米国子会社で人員削減を実施
米国事業は引き続き苦戦しており、2019年に取得した「ドランク・エレファント」の低迷が影響した。このため現地子会社では約300人に相当する1割超の従業員を削減し、赤字は前年の25億円から58億円へと拡大した。
主力ブランドは国内で堅調
国内市場では「SHISEIDO」や「ELIXIR」などの注力ブランドが堅調で、販売は安定した推移を見せた。訪日観光客向けの売上はやや伸び悩んだが、国内消費に支えられる形で一定の成果を収めた。
通期黒字の見通しは維持
通期の見通しは据え置きで、売上高9950億円、最終利益60億円の黒字を見込んでいる。藤原憲太郎社長は、「資本コストを上回る収益力を早期に実現したい」と述べ、さらなる効率化と成長戦略への投資を続ける姿勢を強調した。