アマゾン、クラウド上でオープンAIモデル提供開始へ

小野寺 佳乃
読了目安: 6 分

オープンAIモデルをAWSで提供する方針が判明

アマゾンは、自社クラウドサービスAWSにおいてオープンAIの最新AIモデルを提供する計画を明らかにした。これにより、コード生成やウェブ検索といった高度な機能を備えたAIエージェントを、企業や開発者がAWS上で直接利用できる環境が整う。オープンAI製品のクラウド提供はマイクロソフト以外では初の事例となる。

AWS基盤サービスでのAIモデル提供が決定

このAIモデルはAWSの主要サービス「Bedrock」と「SageMaker」を通じて提供される。Bedrockは他社や自社が開発した大規模言語モデルを容易に利用できる設計となっており、この導入によってAWSでのAI活用の選択肢がさらに広がると見られる。AWSのゼネラルマネジャーは「利用者に多様な選択肢と柔軟性を提供する」と強調した。

マイクロソフトの独占状態に変化の兆し

これまでオープンAIモデルはマイクロソフトのAzureが独占的に再販してきたが、AWSによる提供開始で市場の構図に変化が生じると見られる。Azureはこの独占関係を背景に急成長してきたが、AWSの動きがクラウド分野の競争を加速させる可能性が高い。

AI投資強化とAnthropicとの連携

アマゾンはAI関連投資を拡大しており、AIスタートアップAnthropicに80億ドルを投資してClaudeモデルをAWSで提供している。今回のオープンAIモデル導入は、AWSがAI分野で多様な選択肢を提供する「AIツールのスーパーマーケット」としての立場を強める戦略の一環といえる。

アマゾン株価の推移と投資家の関心が高まる

5日の米株式市場でアマゾン株は1%上昇したが、年初からは2.6%下落している。市場ではAI分野への巨額投資が収益にどう結びつくかに注目が集まっており、今回のモデル提供は競争力強化策として評価される見通しだ。

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