値下げ発表で11年ぶりの価格改定が判明
牛丼チェーン最大手のすき家は、9月4日午前9時から牛丼や牛皿など36品目を対象に10〜40円値下げする。並盛は30円引き下げられ、税込450円となる。大盛も30円下がり650円に設定されるなど、幅広い商品が見直される。今回の値下げは2014年以来11年ぶりであり、同社が顧客回帰を狙う姿勢を明確にした。
大手3社の牛丼価格に新たな差が発表
今回の改定で牛丼並盛は450円に引き下げられ、吉野家の498円、松屋の460円より安価となる。主要チェーンの中で最安値を示すことで価格面での優位性を確保し、節約を重視する利用者の需要を取り込む戦略といえる。原材料費の上昇が続く中で、あえて低価格路線を打ち出すことで市場シェアの拡大を狙っている。
異物混入問題後の来客数減少の影響
すき家では3月に一部店舗で商品への異物混入が発覚し、その後5カ月連続で既存店の客数が前年を下回った。今回の値下げは、こうしたイメージ低下を払拭し、顧客を呼び戻すための具体的な施策とされる。販売単価を抑える一方で、来店者数増加による売上回復を重視する姿勢が見て取れる。
ゼンショーHDの効率化戦略の影響
親会社のゼンショーホールディングスは、グループ内で食材調達から物流までを一元管理する体制を活用している。すでに「はま寿司」や海外事業で培ったノウハウを取り入れ、コスト上昇を抑制している。こうした効率化が、今回の値下げの裏付けとなっている。
値下げによる販売戦略の行方
一食あたりの利益は減少するものの、販売数量の増加で収益を確保する計画だ。長引く物価高と実質賃金の低迷を背景に、消費者は価格に敏感になっている。すき家は業界最安値を打ち出すことで競争環境を優位に進め、再び集客力を高めようとしている。