不適切なサプリ購入で警察が捜査開始
9月2日、サントリーホールディングスは新浪剛史会長の辞任を明らかにした。8月下旬、都内の自宅が警察の捜索を受け、海外から送られたサプリにTHC成分が含まれていた疑いが浮上したためだ。新浪氏は「違法とは考えていなかった」と述べたが、警察は麻薬取締法違反の可能性を視野に調査を続けている。
サントリー取締役会が判断を下した経緯
社内では捜査報告を受けた同日午後に緊急会議が開かれた。その後、外部弁護士によるヒアリングや臨時取締役会が行われ、経営トップに求められる資質に欠けるとの結論に至った。9月1日、出張から帰国した新浪氏と協議し、辞任の申し出を正式に受理した。
代表幹事辞任と政策決定機関への影響
新浪氏は2023年から経済同友会代表幹事を務めており、さらに経済財政諮問会議の民間議員も兼務していた。今回の辞任により両ポストからの退任が避けられないと見られ、経済政策の議論にも影響が及ぶ可能性がある。内閣府も「驚きを持って受け止めた」とし、林芳正官房長官は「適切に対応する」と述べるにとどめた。
サントリー社長が謝罪、信頼回復を強調
午後に開かれた記者会見で鳥井信宏社長は「ガバナンス上、極めて深刻な事態」と謝罪した。経営トップが法規制に無理解であったことは重大だと指摘し、今後は全社を挙げて信頼回復に努めると強調した。業績への影響を懸念する声もあり、消費者からの指摘を真摯に受け止める姿勢を示した。
3日の会見で本人が説明へ
新浪氏は辞任に際し「役職を続けられないことは残念」とコメントを寄せた。3日に予定される経済同友会の定例記者会見には本人が出席する意向で、一連の経緯について直接説明する見通しとなっている。