脱炭素に向けた新たな技術方針を発表
スズキは9月9日、脱炭素社会の実現を見据えた技術戦略説明会を開催し、車体重量の大幅削減に成功したことを明らかにした。軽量化によるエネルギー使用の抑制は、製造段階から走行時まで幅広く効果を及ぼすと説明した。
車体重量80キロ削減の成果が判明
同社は昨年、車体重量を100キロ減らす目標を掲げており、その8割にあたる80キロ分の削減技術に見通しをつけた。具体的には、超高張力鋼板の利用範囲拡大や金属ボルトの樹脂化、構造設計の刷新が挙げられる。これらは新型車の開発に順次反映される見込みだ。
新素材と設計改革で効率改善が進展
従来の金属部材を軽量かつ強度の高い素材へ切り替え、車両設計の見直しを進めた結果、想定以上の軽量化効果が得られた。新たな構造設計を含む100キロ削減技術全体は2020年代内に先行開発車で完成させ、軽自動車から商品化される計画だ。
ハイブリッド車開発で独自性を強調
同社はまた、従来の「48Vスーパーエネチャージ」システムを発展させ、シリーズ式ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の開発を本格化させることも明らかにした。特に大型車向けの適用を念頭に置き、複数のシステムを共通技術基盤で開発していく方針を打ち出した。
今後の商品展開と市場への影響
軽量化と電動化技術は、環境規制が強化される自動車市場で競争力を高める要因となる。スズキはまず軽自動車で成果を実用化し、段階的に幅広い車種へ展開することで市場における存在感をさらに高める見通しだ。