改定に向けた周知活動が始動
東京都の最低賃金が10月3日から時給1226円に改定されることを前に、東京労働局は16日、経済団体に対し新しい水準の周知を求めた。今回の改定は63円の引き上げとなり、過去最大規模であると同時に全国最高額となる。労働局は、改定内容を速やかに企業へ伝えることを重視している。
労働局長が要請書を手交
この日、東京労働局の増田嗣郎局長が、東京経営者協会の根本勝則専務理事に要請書を手渡した。要請書には、新賃金額の適用を徹底することに加え、国の支援策を活用して企業が賃上げに対応できるようにすることが盛り込まれている。特に中小企業が円滑に移行できる環境整備が焦点となっている。
支援策として業務改善助成金を提示
要請には、賃上げと設備投資を行う中小企業を対象とした「業務改善助成金」の利用促進が明記された。これは政府が用意した主要な施策であり、経営基盤の強化を図ると同時に最低賃金改定への対応を後押しする狙いがある。労働局は、この制度をできる限り多くの事業主に浸透させたい考えを示している。
経済団体側の反応と要望
要請を受けた根本専務理事は、企業への迅速な周知を約束した。その上で、中小企業が現実的に賃上げを実行できるよう、政府全体で支援体制を整える必要があると強調した。最低賃金の上昇は労働者にとって大きな前進となるが、経営への負担をどう軽減するかが課題とされている。
労働局が呼びかける制度活用の重要性
増田局長は、今回の引き上げが大規模であることを認めつつ、政府として最大限の支援策を準備したと説明した。特に事業主に対しては、国の制度を積極的に活用するよう求め、制度の周知と利用拡大を強く呼びかけた。最低賃金改定を円滑に進めるための行政の姿勢が明確に示された形となった。