買収規模は数十億円に達すると発表
福岡県大川市の家具卸大手関家具が、米投資ファンドLキャタルトンによる過半数株式取得を受け入れることが判明した。取引規模は数十億円に上り、完了は9月末を予定している。関家具の創業家が保有する株式を対象に売却が進められる。
国内最大シェアを持つ家具卸企業の実績
関家具は1968年に創業し、ソファやテーブルなどを中心に全国の小売店へ供給してきた。2024年5月期には売上高185億円を計上し、約4700の家具店と取引実績を持つ。国内市場において卸売シェアは最大規模とされる。
社名や雇用維持、事業拡張に注力
今回の売却後も関家具の社名や本社所在地に変更はなく、雇用も維持されると説明された。今後は、ファンドの資金とノウハウを活用し、商品開発力の強化、店舗展開の拡大、さらには電子商取引の強化を進める方針だ。
ホテルや飲食店向け販売を拡充
事業戦略の重点は法人需要の取り込みにある。特に首都圏のホテルや飲食店向けに販売を拡大し、業務用家具市場でのプレゼンスを高める狙いが示された。国内外で高まる需要を背景に、法人部門の拡大が見込まれている。
LVMH出資ファンド、日本での投資8件目
Lキャタルトンは、フランスの高級ブランド大手LVMHグループが出資するファンドで、消費財関連に特化した投資を展開している。今回の関家具買収は、日本市場における8件目の案件であり、同グループのアジア戦略の一環ともいえる。