コメ新基準に「単収」明記 誤解回避へ転換

浅川 涼花
经过
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長年の作況指数からの転換が決定

政府は70年近く続いたコメの「作況指数」を廃止し、新たな評価指標を導入する。誤解を生みやすかった従来の方式を改め、単位面積当たりの収量を強調した「単収」を名称に明記する方針が固まった。

新指標の目的と狙いが浮上

これまで「作況指数」は全国の収穫量を示すものと誤解されることが多かった。今回の変更は、収量を正しく伝えるために「単収」を明示することに重点が置かれている。新名称には「作況単収指数」「単収指数」など複数の案が挙がっている。

従来の基準と新方式の違いが明確化

旧方式は過去30年間の平均収量を基準に算出されてきた。これに対し、新方式では直近5年間のうち最大値と最小値を除いた3年間の平均収量を用いる。近年の猛暑や異常気象を反映する狙いがあり、現実に即した基準とされる。

名称をめぐる現場の意見が対立

農業現場では「作況」という用語が広く浸透しており、名称から完全に排除すべきではないとの声がある。一方で、誤解の要因となってきた経緯から、刷新を求める意見も根強い。省内では折衷案を含めて調整が進められている。

10月中旬からの公表開始が予定

新たな指標は10月中旬から公表される予定だ。農業関係者や市場関係者は、この変更によって収穫状況がより的確に示され、政策判断や需給調整の精度が高まることを期待している。

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