旧工場跡地を活用した都市実験の始動を発表
静岡県裾野市の旧東富士工場跡地で建設が進められてきたトヨタの実証都市「ウーブン・シティ」が25日から本格稼働した。敷地は東京ドーム6個分に相当する約29万4,000平方メートルで、第1期区域として約4万7,000平方メートルが利用開始された。14棟の建物と地下物流網を備え、まず約300人が入居した。
自動運転や物流ロボットの活用が判明
街では完全自動運転を想定したEV「イーパレット」や小型モビリティが専用道路で走行し、地下空間では宅配やごみ収集を担う自律ロボットが導入される。信号は歩行者を優先させつつ車両接近時に赤へ切り替える仕組みを採用するなど、生活と技術が直結する環境が整えられている。
企業と住民が共同で進める実証を発表
実証にはトヨタグループ12社と外部7社が参画する。日清食品は栄養バランスを考慮した食事を提供し、UCCジャパンはコーヒーの効果を検証する。ダイキン工業は花粉を排除した空間の実証を行い、増進会ホールディングスは保育施設でのAI活用を試みる。幅広い分野の企業が参加し、住民とともに次世代サービスを形にしていく。
プロジェクト責任者が示す開発加速の影響
豊田大輔氏は「未来につながる失敗も重ねながらデータを集める」と述べ、実証都市の特性を活かした開発加速の意義を語った。父である豊田章男会長も「掛け算によって新たな成果が生まれる」と強調し、多様な視点の融合を歓迎した。
将来的な拡張と一般公開の展望が判明
入居者は段階的に拡大し、最終的には約2,000人規模を目指す。2026年度以降には一般の来訪者の参加も可能となり、世界的に注目されるスマートシティのモデルケースとしてさらなる発展が見込まれている。