ドローン侵入で空港が閉鎖された経緯
デンマークでは9月22日夜、コペンハーゲン空港に無人機が侵入し、約4時間にわたって閉鎖された。続いて24日深夜から25日未明にかけて、オールボー空港を含む地方空港5カ所で大型ドローンが確認され、一時的に運航が停止した。警察によると、ドローンは3時間以上にわたり空域を旋回し、複数の便が迂回を余儀なくされた。
政府が「ハイブリッド攻撃」と認定
ポールセン国防相は25日の記者会見で、今回の無人機飛来を「偶然ではなく組織的に行われた攻撃」だと表現し、「ハイブリッド攻撃」にあたると指摘した。政府は事件の性質を踏まえ、NATOとしての対応を協議する姿勢を示した。
ロシア関与の可能性とNATO協議
フレデリクセン首相は24日、NATOのルッテ事務総長と協議し、同盟国と安全確保に向けた協力を進めることで合意した。政府関係者は、ロシアによる影響工作の可能性を排除していないが、現時点で直接的な証拠は得られていないと説明している。
国内批判と防衛体制の課題
今回の一連の事案により、政府は「なぜ無人機を早期に探知できず、撃墜などの対応ができなかったのか」という厳しい批判を浴びている。ホメルゴー法相は対ドローン防衛の新規投資や規制強化の方針を示し、国内でのドローン利用制限を進める考えを明らかにした。
デンマークの安全保障への影響
デンマークはウクライナへの軍事・経済支援を積極的に行っており、国内にはウクライナ軍事産業の拠点も設けられている。今回のドローン飛来は、同国の支援姿勢に対する圧力との見方が広がっている。当局は軍と情報機関を動員して集中捜査を行い、再発防止策を急いでいる。