EV市場拡大へ向けた価格改定が発表
トヨタ自動車は2025年10月9日、電気自動車(EV)「bZ4X」の一部改良版を発売した。従来より70万円引き下げた480万円からとし、国の補助金を利用すれば実質負担は約380万円となる。これにより、トヨタは消費者の購入ハードルを下げ、EV市場での存在感を強化する狙いを示した。
航続距離と性能の両立を実現
改良版では、グレードごとに航続距離が最適化された。最も低価格のモデルでは544キロメートルと従来より約4%短くなったが、一部上位グレードでは746キロメートルまで延長され、約33%の性能向上を達成した。150キロワットの急速充電に対応し、約28分で充電可能とするなど、利便性の改善にも力を入れている。
生産体制強化で供給力を倍増
販売目標を月150台から1700台へと大幅に引き上げるトヨタは、生産体制の拡充を急ぐ。これまでの元町工場(愛知県豊田市)に加え、新たに高岡工場での製造を開始。需要拡大に備え、国内生産ラインの効率化を図っている。
スポーツSUVとしてデザイン刷新
外観デザインは、サメの頭部を思わせる「ハンマーヘッド」を採用。これにより、より躍動感のあるスポーティーな印象を前面に打ち出した。トヨタはこのデザインを通じて、若年層やスポーツ志向のユーザー層への訴求を強める構えだ。
家庭用充電器発売で利便性拡大
EV普及の鍵となる充電環境にも注力し、トヨタは自社開発の家庭向け普通充電器を同時に発売。価格は19万8000円からで、家庭でも効率的に充電が可能となる。これにより、ユーザーの利用環境全体をトヨタが一貫してサポートする体制が整った。