兵庫のヤマト支店で情報流出、元社員が関与

浅川 涼花
经过
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取引先データ2万件以上が外部へ流出

ヤマト運輸は、兵庫県姫路市の主管支店に勤務していた元社員が、取引先企業に関する約2万6800件の情報を外部へ流出させたと発表した。データには企業名や所在地、請求金額などが含まれており、流出先は2つの企業であった。

不審な営業報告がきっかけで発覚

この問題は、取引先から「身に覚えのない営業を受けた」との通報を受けたことから明らかになった。社内調査により9月16日に不正が確認され、姫路市を中心に加古川市、高砂市など兵庫県西部の1万1356社が被害を受けたことが判明した。

一部は営業活動に利用されていた

流出先の1社では、持ち出された情報が実際の営業活動に使用されていたことが分かっている。こうした行為は競合他社への不正な利益供与につながるおそれがあり、業界内でも波紋を広げている。

個人情報750件も含まれる

調査によれば、流出データのうち561社に関する750件が個人情報に該当する内容だった。これらには担当者名や連絡先などが含まれていた可能性がある。ヤマト運輸は被害企業に対して個別に説明と謝罪を進めている。

企業倫理問う事件として波紋

ヤマト運輸は「今回の事態を重く受け止め、再発防止に全力で取り組む」と表明し、元社員および流出先企業への刑事告訴を検討している。物流業界では個人・法人情報の管理体制を強化する動きが広がっており、今回の事件は企業倫理と内部統制のあり方を改めて問い直す契機となった。

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