鴻海と三菱電機、エネルギー効率重視のAI拠点開発を発表

市原 陽葵
经过
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省エネ型データセンターの世界展開を目指す覚書締結

鴻海精密工業(フォックスコン)と三菱電機は11月6日、AI向けデータセンター分野での協業に合意した。両社は、省エネ性能と信頼性を兼ね備えたAI拠点の構築を目的に覚書を取り交わし、共同でグローバル展開を図る。環境負荷を抑えた運用体制を実現し、持続可能なデジタルインフラ整備を進める構えだ。

鴻海の設計力と三菱電機の電源技術を融合

鴻海は、世界24カ国で230以上の拠点を持つ電子機器製造の大手企業で、データセンターの設計ノウハウに強みを持つ。一方、三菱電機は無停電電源装置(UPS)や発電システムを得意としており、安定的な電力供給に実績がある。両社の技術を組み合わせることで、AI処理に必要な高出力電力を効率的に供給し、停電リスクを最小限に抑える体制を構築する。

持続可能な社会の実現に力を注ぐ

AI活用が進む中、データセンターの消費電力は年々増加している。両社はこの課題に対応するため、高効率エネルギーシステムの開発を推進し、アジアから欧米にかけての市場で需要を取り込む考えだ。三菱電機は、AIデータセンター向け機器の供給網を強化し、持続可能な成長モデルを構築する方針を示した。

持続可能な社会への貢献を重視

協業の背景には、環境負荷低減や再生可能エネルギーの活用を含む循環型経済の推進がある。三菱電機は「社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる」という理念のもと、AI分野以外にも電気自動車やデジタルインフラ分野で脱炭素社会への貢献を目指している。

AI以外の新事業創出にも意欲

両社は覚書に基づき、今後AI領域以外でも新たなソリューションの共同開発を検討する。鴻海の「3+3+3戦略」に沿って、スマート製造やスマートシティなど次世代産業への展開も視野に入れる。両社はそれぞれの強みを生かし、技術革新と社会価値の両立を追求する構えだ。

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