収益増加の要因が判明
成田国際空港会社が2025年4〜9月期の連結業績を公表し、営業収益が1358億円に達したことが示された。この金額は前年同期を約6%上回り、民営化後の上半期としては2年続けて最高値となった。旅客の往来が拡大したことに加え、空港内の商業施設の拡張が寄与した。航空便の運航回数も増加しており、国際線を中心に利用動向が強まったことが確認された。
空港施設整備による費用増が影響
純利益は158億円となり、前年から減少した。背景には滑走路の機能強化に伴う既存施設の撤去費用や配管など老朽箇所の改修が含まれている。空港の更新計画が同期間に進行したことで、費用の増大が収益構造に影響した。旅客数の増加が売上面を支えたものの、設備投資と維持コストの上昇が純利益に反映された形となった。
航空旅客数の動向を発表
旅客数は25年度上期として初めて2000万人を超え、前年同期比でも伸びを見せた。国際線の利用者が引き続き多く、ゴールデンウイークを含む期間に需要が集中したことが大きい。航空機の発着回数も増え、空港全体の運用が活発化した。こうした動向は空港関連サービスの活性化にもつながり、店舗売上の底上げにも影響した。
商業エリアの拡大が売上に寄与
空港内のリテール部門では、新たなテナントの出店が進み、営業利益は前年に比べて増加した。物販を主体とする店舗が50店以上新規に加わり、訪日客の増加に伴う需要を取り込んだ。為替の動きにより高級品の購入単価は伸び悩んだが、店数の拡大と来館者数の増加が部門全体の収益を押し上げた。商業施設の構成を拡充した効果が顕著となった。
中国路線減便の影響が注目
一方で、中国との航空路線では減便の意向が伝えられ、今後の運航数に影響を与える可能性が示された。NAAの藤井直樹社長は、中国の航空会社から12月以降の運航縮小の申し出があったことを説明し、1〜2割の減便が想定されると述べた。中国便は成田発着の中でも便数が多く、減少すれば国際線全体の動向に関わるため、今後の業績に注目が集まる。