世界的影響を受けた問題の全体像が判明
欧州の航空機大手エアバスが製造する「A320」シリーズで発生したシステム不具合により、世界各地で欠航が広がった問題について、12月1日までに改修作業が大きく進展した状況が確認された。影響が及んだのは約6,000機とされ、国際的な航空網にも混乱が生じたが、作業が急速に進み大半の機体が通常の運航に戻りつつある。各国の航空会社は整備計画を見直しながら機体を順次復帰させ、問題の収束に向けて対応を続けている。
データ破損の要因となった事象を発表
エアバスは11月28日の声明で、一部のA320系統機において強い太陽放射が飛行制御に関連するデータを損傷させる可能性がある事象が発生したと説明した。これにより、各社は運航計画の調整を迫られ、短期間で大規模な改修作業を実施する必要が生じた。事案発生後はソフトウェアの更新が急がれ、国際的な運航ダイヤに影響が出たが、整備部門の作業が進むにつれて影響範囲は縮小している。
航空会社の復旧作業が進展
航空会社ごとの対応状況では、作業時間と対象機数が当初よりも少ないと判断された例が複数報告された。担当者の間では、想定よりも負担が軽減されたとの認識が共有されている。米国のジェットブルー航空は150機の改修対象のうち137機の作業を終え、12月1日の段階で約20便の欠航のみで対応可能と説明した。一方、地域によっては復旧に時間を要するケースも残り、コロンビアのアビアンカ航空は12月8日まで予約受付停止措置を続ける。
未完了機の作業継続をエアバスが発表
1日の発表でエアバスは、改修作業が終わっていない機体が100機未満となったことを明らかにした。残る機体に関しては、各社と連携しながら運航に戻すための更新と検証を進めている。A320シリーズは累計1万2,000機以上が納入され、世界の航空市場で最も広く使用されている小型機の一つであるため、各国の運航体制にとって今回の問題解消は特に重要視されている。
影響縮小と再発防止策が求められる状況
国際的な欠航が相次いだことで利用者にも影響が及んだが、復旧のめどが立ち始めたことで航空網の正常化が進んでいる。エアバスは利用者と航空会社に対して改めて謝意を示し、不便を招いたことを謝罪した。今後は、今回判明した事象が再び発生しないよう原因分析と対策が求められ、システムの更新手順や監視体制の強化が重要な課題となる。