楽天とUberが協業を拡大しポイント施策を強化

浅川 涼花
经过
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両社が新たな連携枠組みを発表

楽天グループとUber Japanは12月9日、共同事業の拡張に踏み出す計画を示した。楽天IDを基軸とした連携を開始し、配車とデリバリーの両サービスでポイントが付与される仕組みが整備される。東京都内で行われた発表会では、両社トップが協力の意義を強調し、経済圏同士の結び付きを強めることで利用者の利便性向上を目指す姿勢を示した。導入は12月12日までに全利用者へ順次適用される。

支払い額に連動するポイント付与開始

楽天IDをアプリに登録すると、両サービスで200円ごとに1ポイントが付与される仕組みが適用される。楽天ペイを通じた支払いでは従来から最大1.5%が還元されており、今回の連携により最大2%の取得が可能となる。移動と食事の注文に共通の特典が付くことで、日常生活における支出の管理が容易になり、利用頻度の向上が期待される。

特別ポイント企画を含む大規模施策

連携開始に合わせ、12月12日から22日まで特典の獲得機会が拡大される。Uber Eatsで一定額の注文を行った先着50万名に300ポイントを進呈し、配車サービスを利用した場合は1回目に350ポイント、2回目に350ポイントが上乗せされる。条件を満たした場合、最大1,000ポイントが取得できる。複数の場面で特典を獲得できるよう設計されており、両サービス間の相互利用を促す構造となっている。

モバイル契約者向け特典の追加

楽天モバイル契約者を対象としたポイント増量企画には、新たにUberとUber Eatsが加わる。12月12日以降、決済時に楽天IDを利用すると通常の20倍のポイントが付与される仕組みである。また、サブスクリプション型サービス「Uber One」の年間プランでは、特別施策として70%割引が適用される。利用者が複数サービスを横断しやすい環境が整備され、各サービスの認知拡大を後押しする。

経済圏連携による事業基盤強化の狙い

楽天の会員数は1億人を超え、累計付与ポイントは5兆円規模に達する。一方、Uberは全国で配車事業を展開し、飲食分野では12万店以上が加盟する。両社はデータ共有を通じて利用傾向を把握し、新たなサービスの創出につなげる方針を示した。発表会では、Uberの最高経営責任者が国内利用者に対し安定した体験を提供すると述べ、協業の拡大に意欲を示した。

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