世界都市評価で進んだ日本の都市再評価
2025年版の世界都市総合力ランキングでは、日本の主要都市が相次いで順位を伸ばした。東京が2位に浮上したほか、大阪も18位に入り、前年から大幅な上昇を記録した。都市の総合的な魅力が国際的に再評価されつつある状況が示された。
大阪・関西万博がもたらした都市変化
大阪の順位上昇の背景には、大阪・関西万博の開催効果がある。万博に向けた都市開発が都心部を中心に進み、街の利便性や景観が改善された。これにより誘客が活発化し、総合評価の底上げにつながった。
誘客と開発が評価指標に反映
調査では、経済や文化・交流など複数の分野で大阪の評価が上昇した。かつては万博の影響は限定的とみられていたが、実際には都市機能の整備が進み、来訪者数の増加という形で成果が表れた。研究所も、想定を上回る効果があったとしている。
他都市との比較で見える相対的強み
世界的なインフレが続く中、ニューヨークでは物価上昇が居住分野の評価低下につながった。一方、東京や大阪の不動産価格は上昇傾向にあるものの、他の大都市と比べると依然として低水準にとどまっている。この点が順位への影響を抑えた。
都市開発と国際評価の連動が示す方向性
大阪の躍進は、大規模イベントと都市整備が国際評価に直結することを示した。今後も都市の魅力を維持・強化するには、開発の成果を持続的な成長につなげる取り組みが求められる。日本の都市戦略全体にとっても示唆の多い結果となった。