平成の金融危機が終結、SBI新生銀が完済

滝本 梨帆
经过
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公的資金返済で34行の全てが対応を完了

SBI新生銀行は31日、旧日本長期信用銀行時代に受けた公的資金の返済を完了した。約2300億円を親会社のSBIホールディングスが負担し、政府系機関が保有していた優先株を取得したことで返済が実現した。これにより、バブル経済崩壊後に資本注入を受けた34行の返済がすべて終結した。

経営自由度の拡大と再上場計画の進展

公的資金の返済を終えたことで、SBI新生銀行の経営はより自由度を増し、成長戦略を進めやすい環境となった。同行は今月11日に東証への上場を申請しており、再上場は年内に実現する見通しだ。非上場化から2年での再上場は、返済による経営の安定化を象徴する動きとされている。

預金保険機構が信用秩序維持への期待を表明

優先株を保有していた預金保険機構は電子メールでコメントを発表し、「信用秩序の維持に貢献することを期待する」と述べた。同機構は長期的に残っていた返済問題が解決したことを評価し、金融システムの安定につながるとした。

長銀破綻から25年を経て危機対応が収束

1998年に破綻した日本長期信用銀行は国有化後、再上場を果たしたが、返済スキームの制約により一部返済が長期化していた。2023年に非上場化し、返済スキームを再構築した結果、今回の完済が実現した。これにより「平成の金融危機」対応は完全に幕を閉じた。

金融再編と地方銀行連携強化への展望

SBIホールディングスは決算説明会で地方銀行との連携強化を進める方針を示した。西川保雄取締役は「具体化に向けて強力に進める」と発言し、返済完了を新たな成長戦略の起点と位置づけた。

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