巨額投資を巡る参院予算委での論戦が焦点
参院予算委員会で9月12日、日本による約5500億ドル(約80兆円規模)の対米投資を定めた覚書が議論となった。野党からは米国主導の枠組みが日本に不利だとの指摘があったが、赤沢亮正経済再生担当相は「不平等条約ではない」と断言した。
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投資委員会と協議委員会の二重構造が判明
覚書の仕組みでは、米国側の「投資委員会」が候補案件を絞り込み、最終的に大統領が承認する。しかし赤沢氏は、日米双方が設置する「協議委員会」で日本の意見が反映されるため、不利益が生じる構造ではないと説明した。
JBICによる資金供与に法的制約を強調
赤沢氏は、政府系金融機関である国際協力銀行(JBIC)が資金を供与する点を挙げた。日本の利益に反する案件や巨額損失を伴う投資は法的に認められず、協議委を通じて案件を精査する仕組みで安全網を確保していると述べた。
米商務長官がアラスカLNG開発計画を発表
一方、米国のラトニック商務長官は9月11日の米メディアの取材で、投資対象としてアラスカのLNGパイプライン建設を挙げた。規模は1000億ドルに達するとし、大統領が承認するとの見通しを示した。
日本企業JERAが米企業と意向表明書を交わす
このアラスカ開発に関連し、日本の電力大手JERAは11日、米開発会社グレンファーンと意向表明書(LOI)を交わしたと発表した。調達量や価格交渉に進む前段階と位置付けられ、日米エネルギー協力の動きが具体化しつつある。