ゆうちょ銀行端末活用不十分、検査院が指摘

小野寺 佳乃
読了目安: 5 分

高額端末の利用実態が明らかに

会計検査院の調査により、ゆうちょ銀行が日本郵便の研修施設に配備した新型端末が十分に利用されていなかったことが判明した。多額の費用を投じながらも、実際の稼働は限定的であり、非効率さが問題視されている。

配備された端末の概要が判明

調査によれば、端末は全国77カ所の研修施設に計645台導入され、そのうち88台(約4565万円)が日本郵便の施設に置かれていた。これらは銀行窓口業務に必要な入出金データ入力などを行う機器だが、研修での稼働実績は極めて少なかった。

年間数日の利用にとどまる状況が判明

検査院は、実機研修の年間平均実施日数が2022年度で2.5日、2023年度で4日にとどまっていたことを確認した。通常業務の中で訓練を行う体制が主流となり、研修施設での端末利用が大幅に減少していた。

端末移設と研修集約の対応を発表

調査の結果、27都道府県で両社の施設に端末が重複配備されており、そのうち19府県ではゆうちょ銀行の研修拠点に集約できると判断された。これにより、日本郵便の施設にある88台は順次店舗へ移され、利用実態に即した運用に改められる。

銀行側の対応姿勢と改善の影響

ゆうちょ銀行は「検査結果を真摯に受け止め、日本郵便と連携して改善に努める」と表明した。今後は業務効率の向上と資産の有効活用が求められる。移設された端末は利用件数の多い郵便局で稼働することで、設備投資の実効性が高まる見通しだ。

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