米国が中・大型トラックに25%関税を発表

河本 尚真
经过
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トランプ政権、11月から輸入車に新たな負担

国内製造業保護を目的とした措置が判明

トランプ米大統領は6日、11月1日から米国に輸入される中・大型トラックに25%の関税を課す方針を明らかにした。対象範囲は日本や欧州を含む主要輸出国からのトラックで、米国内の大型車メーカーを不公平な競争から守る狙いがある。大統領はこれまでも「国内製造業を守ることが国家安全保障の柱だ」と繰り返してきた。

関税対象と法的根拠が示された背景

米商務省は4月、通商拡大法232条に基づき、中型・大型トラックおよび関連部品の輸入実態を調査。報告書では、中型トラックを総重量4.5~11.8トン、大型トラックを11.8トン超と定義している。今回の決定はこの調査結果を踏まえ、輸入が国家安全保障を損なう恐れがあると判断したことによるものとみられる。

日本・欧州メーカーへの影響が焦点に

トランプ氏は9月にも大型トラックへの関税導入を表明していたが、当時は実施が見送られていた。今回の発表では対象を中型まで拡大しており、日本のいすゞ自動車やトヨタ自動車、欧州メーカーのスカニアやメルセデス・ベンツなどが影響を受ける可能性がある。各社はコスト増や販売への影響を慎重に分析している。

経済界から反発の声が広がる

米商工会議所は「主要な輸入国はメキシコ、カナダ、日本、ドイツ、フィンランドなど、いずれも同盟国であり、米国の安全保障を脅かすものではない」と指摘。関税措置の撤回を求めた。経済団体の中には、報復措置によるサプライチェーンへの悪影響を懸念する声も上がっている。

政権の保護主義姿勢が再び鮮明に

今回の発表により、トランプ政権の保護主義的経済政策が再び前面に出た形だ。11月の実施まで1か月を切る中、米国と主要貿易相手国との間で新たな摩擦が生じる可能性も否定できない。国際的な自動車サプライチェーンにどのような影響を及ぼすかが注目されている。

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