2024年度の法人税額、18兆7139億円と過去最高を更新
国税庁が発表した2024年度の法人税データによると、申告法人税額は18兆7139億円となり、前年度から7.6%増加した。税率が現在よりも高かった1989年度の18兆6412億円を上回り、過去最高を記録した。法人の申告所得額も102兆3381億円に達し、4年連続の過去最高となった。
法人数と黒字申告件数が増加傾向に
今年6月末時点の法人総数は346万社。そのうち、2024年度の申告件数は322万件で、前年より増加した。黒字で申告した企業は117万5000件に上り、前年度より3万2000件増加している。経済活動の回復と企業収益の底上げが税収増に寄与した形だ。
業種別では観光関連が好調 製造業は減少
業種別の申告所得では「料理・旅館・飲食店業」が前年度比38.5%増の1兆3326億円と最も高い伸びを示した。訪日外国人客の急増による需要拡大が背景とみられる。一方、所得額が最も多い「製造業」は29兆218億円と依然として首位を維持したが、前年より5.6%減少した。
税率の変化とバブル期との比較
今回の法人税額は、税率が23.2%と現在よりも高かったバブル期(当時40%)の水準を超えた点で注目される。税負担率が低下しているにもかかわらず税収が拡大したことは、企業収益構造の改善や経済活動の活発化を反映している。
今後の税収動向に注目集まる
法人税収が過去最高を記録する一方で、業種間の格差も浮き彫りとなった。サービス業や観光関連が回復する一方で、製造業の減収は世界的な需要変動やサプライチェーンの影響を受けている。今後も企業収益動向と法人税収の推移が注視される見通しだ。