従来保険証の期限到来で新制度移行が判明

滝本 梨帆
经过
読了目安: 7 分

制度移行開始に関する状況が判明

12月1日で従来の健康保険証が期限を迎え、2日以降はマイナンバーカードと統合されたマイナ保険証、または資格確認書を用いる方式へ移行した。医療機関では新たな確認方法に対応する準備が進められてきたが、現場では運用に伴う課題も指摘されている。厚生労働省は制度変更に伴う混乱を避けるため、期限切れの保険証も来年3月末までは通常の負担で利用できる特例措置を示している。

対象となる保険証の詳細が判明

今回有効期限を迎えたのは、企業の健康保険組合や共済組合に加入する被用者保険証で、対象者は約7,700万人に及ぶ。国民健康保険証についても今年7月以降、順次切り替えが進められており、全国で紙の保険証の役割が段階的に終了しつつある。マイナ保険証を持たない人には、自治体や保険者が資格確認書を発行し、医療機関での受診に利用されている。

医療情報共有による利点が発表

マイナ保険証は医療機関のカードリーダーを用いて本人確認を行い、薬の処方歴などを医師が確認できる仕組みを備える。厚生労働省は、複数の医療機関で同一の薬が処方される事態を避けられる点を大きな利点として説明している。また、受診歴の管理が可能になることで、医療サービスの質向上につながるとの指摘がある。

利用率の低迷と不安が影響

一方で、制度の浸透は進んでおらず、10月末時点の利用率は37.14%にとどまっている。顔認証や暗証番号入力などの手続きが煩雑との声があるほか、別人データの誤登録が発生した事例も不安材料となっている。全国保険医団体連合会の調査では、8月以降に資格確認をめぐるトラブルを経験した医療機関が69.8%に上り、現場からは慎重な対応を求める声も上がっている。

国の説明強化の必要性が浮上

政府側は、マイナ保険証の利用でトラブルが発生しても全額自己負担になることはないと説明し、周知徹底を進めている。厚生労働省幹部も安心して利用できる制度だと強調し、移行期の混乱を抑える姿勢を示している。制度定着に向けては、不安解消と利用環境の改善が引き続き課題となる。

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