東京23区の宅地開発 電柱新設禁止へ 景観改善にも期待

小野寺 佳乃
読了目安: 4 分

都が全国初の宅地規制を計画

東京都は新たに宅地を開発する際、敷地内に電柱を設けることを原則として禁止する方針を示した。電線を地中化することで、災害時の安全性を高めると同時に都市景観を整備する狙いがある。

計画書提出を義務化する条例案が浮上

条例案の骨子では、開発事業者に対し無電柱化の計画書提出を義務づけることが明記されている。違反時には事業者名の公表や指導・勧告が行われる見通しで、対象地域は23区の大部分に広がる。

都内宅地開発での新設電柱の現状が判明

都によれば、都内では年間500件規模の宅地開発があり、新設される電柱は約850本にのぼるという。この増加傾向が条例によって抑制されれば、防災面のリスク軽減が期待される。

都知事が竜巻被害を例に無電柱化の必要性を強調

小池百合子知事は報道陣に対し、静岡県牧之原市での竜巻被害を踏まえ「電柱が倒れると生活機能が失われる」と述べ、電柱の安全性を再検討する重要性を訴えた。

公募手続きを経て来年の制定を目指す動き

東京都は条例骨子を公表後、1か月間のパブリックコメントを実施し、都議会での審議を経て来年の成立を目指している。これが実現すれば、宅地開発における電柱規制としては全国初の事例となる。

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