日米の関税交渉が想定外の展開に
7月22日(米国時間)、トランプ大統領は日米貿易協議の妥結を発表し、日本車の対米輸出にかかる関税が15%へ引き下げられることを明らかにした。また、両国間の相互関税も同水準に統一される。25%課税の可能性が取り沙汰されていた中、市場には予想外の好感材料として受け止められた。
トヨタ株が記録的な上昇率を記録
東京証券取引所では、23日の取引でトヨタ株が前日比14.3%高となり、一時は16.3%上昇の2,905円まで値を上げた。これにより、同社の時価総額は5兆円超増加し、45兆0867億円に達したと報じられている。一部報道では6兆円増加ともされており、そのインパクトは極めて大きい。関係者は、「25%の税率を想定していたなかでの15%という数字は、市場にとって明確な買い材料だった」と語っている。
自動車関連株にも波及効果が拡大
トヨタに限らず、東京市場全体で自動車株が全面高となった。ホンダや日産といった他の大手メーカーも恩恵を受け、輸出関連セクター全体が上昇トレンドを描いた。市場では、米国向け輸出におけるコスト減と、今後の収益性の改善を見込む動きが広がっている。製造業に対する先行きの不透明感が和らいだことで、投資家心理も一時的に好転した形だ。
業績期待と国際競争力回復の見通し
税率引き下げにより、日本メーカーは米国市場において価格競争力の強化が可能となる。これまでの高関税が製品価格や採算に影響を与えていたが、15%であれば一定の採算確保が見込めるとされている。トヨタを筆頭に、今後の通期業績見通しの上方修正を期待する声も出始めており、外資系ファンドによる資金流入も加速する可能性がある。
株式市場全体への波及も注視
今回の関税合意は、製造業全体にとってプラス材料と受け止められており、今後は他業種への波及も注目される。米国との貿易摩擦リスクが一部解消されたことで、海外展開を積極化する企業にとっても戦略の再構築に追い風となりそうだ。投資家の注目は、次にどの業種へこの影響が波及するかに移りつつある。