アルファベット、AI需要で時価総額3兆ドル突破

市原 陽葵
经过
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市場で3兆ドル台を初めて記録

米アルファベットの時価総額が9月15日、米株式市場で取引中に3兆ドルを初めて超えた。アップル、マイクロソフトに続き、米半導体大手エヌビディアに次ぐ世界で4社目となる。株価は一時前週末比5%近く上昇し、投資家心理を強く刺激した。

AI事業の拡大が株価を押し上げ

株価上昇の背景には、生成人工知能「ジェミニ」の需要増大がある。検索広告やクラウドサービスといった既存の収益源に加え、AI関連事業が収益拡大を牽引している。最新決算では純利益が前年同期比19%増の281億9600万ドルとなり、市場の期待を裏切らなかった。

裁判所判断が事業継続を後押し

米裁判所は、ブラウザ「クローム」やスマートフォン基本ソフト「アンドロイド」の継続的な事業運営を認めた。これにより、事業売却リスクが大幅に低下し、企業価値の安定性が強まったと投資家に受け止められた。株式アナリストも「企業の屋台骨を揺るがす懸念が後退した」と指摘する。

「マグニフィセント7」で際立つ存在感

アルファベットの株価は年初来で32%以上上昇し、米国の代表的ハイテク株群「マグニフィセント7」の中で最も高い伸びを記録している。通信サービス・サブセクター全体でも26%超の値上がりを見せており、同社が市場全体を牽引している状況が鮮明となっている。

投資家心理と今後の展望

株価収益率(PER)は約23倍と、他の大手ハイテク企業と比べ依然として割安感が残る。市場では「過去2年間でこれほど投資家を熱狂させたセクターはない」との声も出ており、AIを軸としたアルファベットの成長が引き続き注目されている。

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