米関税発動日の明示が市場に安心感を与える
東京市場では7月8日、日経平均株価が39,688円81銭となり、前日比101円13銭の上昇で取引を終えた。これは2営業日ぶりの上昇であり、トランプ米大統領が対日関税の適用日を「8月1日」と書簡で明示したことが一因とされる。これにより、当初の交渉期限とされた「7月9日」から一定の猶予期間があるとの受け止めが投資家心理を安定させた。
円安進行が輸出関連銘柄を下支え
同日の外国為替市場では円安ドル高が進み、これに連動して自動車や精密機械、半導体関連など輸出依存度の高い企業の株価が上昇した。特にトヨタやマツダの株価は小幅ながらも堅調に推移し、セクター全体の上昇を牽引した。円安は企業収益の押し上げ要因となるため、今後の為替動向にも注目が集まっている。
朝方は米株安と関税警戒で売り優勢に
一方で、取引開始直後は39,542円07銭で始まり、前日比45円安と小幅に続落してスタートした。これは前日の米国株安やトランプ氏の関税発表による警戒感が背景にあり、売りが先行した形だ。しかし、日中はじわじわと買い戻しが進み、終値では100円超の上昇となった。
半導体・精密機器株が指数を大きく押し上げる
個別銘柄では、オムロンが6%超の上昇、ダイキンは2%以上の上昇となるなど、精密機器セクターが顕著な強さを見せた。東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株も買われ、日経平均に大きく寄与した。市場全体では、非鉄金属やサービス業種も堅調だった一方で、保険やその他製品などは軟調に推移した。
金融政策の不透明感が相場の上値を抑制
上昇基調の中でも、米国の物価上昇圧力や日銀の金融政策に対する不透明感が依然として市場の重荷となっている。特にインフレ懸念が根強く、今後の金利動向や政策決定が株価に与える影響が注視されている。このため、短期的な上昇が続くかどうかは今後の経済指標や政策発表次第といえる。