日経平均4万2500円台を回復 半導体株が上昇主導

小野寺 佳乃
読了目安: 7 分

米国株の反発が東京市場に波及

4日の東京株式市場で日経平均は大幅反発し、終値は前日比641円38銭高の4万2580円27銭となった。米国株でハイテク銘柄が買われた流れが波及し、東京市場でも半導体株を中心に買いが集中。序盤から上昇基調が強まり、午前中には一時543円高を付け、午後には先物買いを背景に上げ幅をさらに拡大した。

投資家心理を支えた金利低下の影響

米国や欧州で懸念されていた金利上昇が3日に一服したことで、投資家心理が改善した。国内長期金利の低下も安心感を与え、景気敏感株や金融株に買いが集中。これにより銀行業が業種別で上昇率トップとなり、非鉄金属や保険株も堅調に推移した。市場全体の底堅さが確認され、プライム市場では7割近い銘柄が上昇した。

主力銘柄の動きと市場を動かした要因

ソフトバンクグループやアドバンテストが3%超の上昇を記録し、日経平均の上昇に大きく寄与した。フジクラは6%高で年初来高値を更新し、電線需要への期待感を映した。ファーストリテイリングやトヨタ自動車も堅調に推移した。一方、ニデックは子会社の不正会計疑惑が嫌気され18%安と大幅下落。市場全体の上げ幅を削る要因となった。

東証33業種の動向と循環物色の特徴

この日は東証33業種のうち32業種が上昇し、銀行業を筆頭に非鉄金属や保険、情報・通信、鉄鋼が値を押し上げた。市場関係者からは「ハイテク株が一服する場面では内需関連に資金が向かう」との声があり、循環的な物色が広がった。下げたのは鉱業やゴム製品などわずかな業種にとどまった。

出来高と売買代金の推移から見る市場評価

この日の東証プライム市場の売買代金は4兆3217億円、出来高は18億7689万株に達した。TOPIXは31.28ポイント高の3080.17となり、日経平均と同様に堅調な値動きを示した。市場関係者は「25日移動平均線を下値の支えとした安定感が相場を維持している」と分析している。短期的な調整を経つつも、当面は強含みの展開が続くとの見方が広がっている。

この記事をシェア