米株3日続伸、AI投資とハイテク需要が相場を押し上げ

小野寺 佳乃
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主要指数が連日の最高値を記録

22日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均・ナスダック・S&P500のすべてが最高値を更新した。AI分野への投資拡大を背景に、半導体関連株を中心に買いが進んだことが大きな要因となった。市場全体では強気のムードが広がり、9月相場にもかかわらず活況を呈した。

エヌビディアの決断がAI期待を増幅

この日の相場を牽引したのはエヌビディアだった。同社はオープンAIに最大1000億ドルを拠出する計画を発表し、生成AI分野への巨額投資が話題となった。株価は3.9%の上昇を見せ、市場関係者からは「AI需要の持続的な成長を象徴する動き」との評価が広がった。

アップルとテスラの動向が判明

ハイテク関連ではアップルが4.3%上昇した。iPhone17の販売好調を背景に証券会社が目標株価を引き上げたことが投資家心理を刺激した。また、テスラ株も1.9%高となり、EV市場の存在感を再確認させる展開となった。これらの銘柄の上昇は、米国株式市場全体に一層の勢いを与えた。

金融政策を巡るFRBの見解に注目

米金融政策では、追加利下げを巡る議論が続いた。ムサレム総裁やボスティック総裁はインフレ抑制を優先すべきとの立場を示し、追加利下げには慎重姿勢を見せた。一方、ミラン理事は「政策は過度に引き締め的」と発言し、0.5%の利下げを正当化する見解を明らかにした。こうした意見の分かれ方が市場に不透明感を残している。

政治的要因として浮上したビザ制度変更

株価を押し上げた要因とは別に、不安要素もあった。トランプ大統領が高度専門職ビザの申請に追加費用を課す意向を示したことで、ハイテク業界関係者からは批判が相次いだ。企業活動や人材確保に与える影響が懸念されており、今後の動向に注目が集まっている。

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