国連の役割を疑問視する発言が相次ぐ
ニューヨークの国連本部で行われた一般討論演説で、トランプ大統領は国連の存在意義に疑問を投げかけた。自身が「7つの戦争を終結させた」と成果を誇示する一方で、「国連から協力の電話を受けたことは一度もない」と発言し、国際機関の貢献不足を指摘した。演説冒頭にはテレプロンプターの不具合もあり、国連の不備を揶揄する場面もあった。
パレスチナ国家承認を強く非難
トランプ氏は、欧州の一部が進めるパレスチナ国家の承認について、「ハマスへの大きな報酬」と表現し、強く反対した。承認の動きが紛争解決を遠ざけると主張し、「ガザでの戦闘を止め、和平交渉と人質解放を直ちに進めるべきだ」と訴えた。和平の実現には、承認よりも停戦と具体的な交渉が不可欠だと強調した。
ロシアに対する制裁強化の警告
ウクライナ戦争に関しては、「ロシアが終結に合意しなければ極めて強力な関税を課す準備がある」と言明した。さらに、制裁の効果を高めるには「欧州諸国すべてが同じ行動をとる必要がある」と述べ、連携の重要性を強調した。この発言は、米国が単独行動だけでなく同盟国の協力を不可欠と見なしていることを示している。
トランプ大統領、イラン核兵器保有を断固阻止と表明
演説ではイランについても触れ、「世界一のテロ支援国家に危険な兵器を保有させることは許されない」と強調した。核兵器開発を断固阻止する姿勢を示し、国際社会に対しても圧力を強めるよう呼びかけた。この発言は、米国が引き続きイラン問題を最重要課題の一つと位置づけていることを明らかにした。
気候変動への強い懐疑を表明
さらにトランプ氏は、気候変動を「史上最大の詐欺」と断じた。国際的な環境対策について「誤った理由に基づき、国の富と成長の機会を奪っている」と述べ、科学的根拠そのものを疑問視した。環境政策に対する否定的な発言は国際社会との対立を一層深める可能性がある。