4万8000円突破で市場に歴史的節目
10月6日の東京株式市場で日経平均株価が4万7944円76銭と、2営業日連続の最高値更新を果たした。前週末から2175円超の上昇となり、取引中には4万8000円台を記録。市場関係者の間では「高市相場」とも呼ばれる勢いが広がっている。
新総裁就任が市場心理を刺激
自民党総裁選で高市早苗氏が勝利したことが、投資家の買い意欲を高めた。市場では、これまで有力と見られていた小泉進次郎氏の敗北が「ポジティブサプライズ」として受け止められた。高市氏の財政拡張方針が景気を押し上げるとの見方が広がり、政策期待が株式相場を牽引した。
金融緩和継続観測が円安を後押し
高市氏が日銀の追加利上げに慎重とみられることから、為替市場では円安・ドル高が進行。午後の取引では1ドル=150円台半ばで推移し、3円程度の円安となった。輸出関連企業の業績改善期待が強まり、自動車・電機などの主力株が相場を支えた。
成長投資と規律の両立に市場好感
「規律ある財政拡張」を掲げる高市氏の姿勢に、市場は強い反応を示した。大和証券の坪井裕豪氏は、「成長投資と財政健全化の両立を目指す姿勢が投資家の安心材料になっている」と分析した。東証株価指数(TOPIX)も史上最高値を更新し、広範な銘柄で買いが入った。
今後は政策実行力が焦点に
短期的には高市氏の注力分野である防衛、エネルギー、インフラ関連銘柄への買いが続く見通しだが、専門家は冷静な視点も示す。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平氏は、「市場の期待は高いが、少数与党の下で政策がどこまで実現するかが問われる」と述べた。