相場過熱感の中で小幅上昇 高市政権期待が下支え

小野寺 佳乃
読了目安: 7 分

4日続伸も伸び悩みの展開

7日の東京株式市場で日経平均株価は前日比6円高の4万7950円と小幅上昇し、4日続伸で連日の最高値を更新した。前日に2000円超の急騰を演じた反動で、序盤こそ買いが先行したが、利益確定の動きが優勢となり、上値は重かった。一時は4万8500円台(約580円高)まで上昇したが、午後にはマイナス圏に沈む場面もあった。

高市ノミクスへの期待続く

市場では、新たに自民党総裁に就任した高市早苗氏の経済政策に対する期待感が根強い。財政拡張的な方針が想定され、株式市場では引き続き「高市ノミクス」を意識した買いが見られた。とくに外需関連銘柄を中心に外国人投資家の資金流入が目立ち、押し目買いが続いた。日銀の政策決定会合では利上げ見送り観測が広がっており、円安傾向を後押ししている。

米国市場の動向も支援材料

前日の米国市場では、AMDとOpenAIの提携発表が投資家の注目を集め、AI関連株が上昇した。ナスダック指数は2日ぶりに最高値を更新し、東京市場でも関連銘柄の買いを誘発。半導体株の上昇が日経平均の支えとなった。一方で、ダウ平均は7日ぶりに反落し、過熱感が意識される展開となった。主要企業の決算発表を控え、利益確定の動きが米国でも散見された。

利食い売りと様子見のムード

前日の急騰による達成感が広がり、個人投資家を中心に利食い売りが増加した。チャート上では200日移動平均線からの乖離率20%超と、短期的な過熱感が強まっている。市場関係者の間では、「新内閣の顔ぶれや与党連立の方向性を見極めるまでは慎重な取引が続く」との見方も多い。午後にかけては取引がやや停滞し、全体的に様子見姿勢が強まった。

TOPIXは最高値を維持

東証株価指数(TOPIX)は前日比1.85ポイント高の3227.91と3日続伸。こちらも最高値を更新した。東証プライム市場の売買代金は約6兆6000億円、売買高は約25億株。業種別では情報・通信や機械が堅調だった一方、小売や銀行は下落した。全体では値上がりと値下がりがほぼ拮抗する形で、方向感に欠ける展開となった。

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