外為市場でドル売り優勢、円とスイスフランが買われる
ニューヨーク市場ではドルが軟調に推移し、リスク回避による円とスイスフラン買いが進行した。ドル/円は151.71円まで下落、ドル/スイスフランも0.801フランと前日比で0.37%安。対照的にユーロはフランス政府による年金改革停止発表を受け底堅く推移した。
トランプ政権の発言が市場を翻弄
トランプ大統領は中国製品に100%の追加関税を課す方針を維持する一方で、「中国を支援したい」との発言を行い、相場の方向感を曖昧にした。市場は発言の真意を測りかね、投資家はポジション調整を強めている。
債券市場で利回り4月以来の低水準
米国債市場では長期金利が急低下。30年債利回りは4.59%に下がり、FRBの利下げ継続観測が金利を押し下げた。パウエル議長は講演で「雇用とインフレの見通しに大きな変化はない」と述べ、金融緩和の継続を示唆した。これにより、安全資産への資金流入が加速した。
株式市場は銀行株が支え、全体はもみ合い
S&P500は方向感を欠く展開。米中摩擦再燃による懸念で主要株が上値を抑えられたが、好調な銀行決算が一部支えとなった。投資家の間では、関税政策と金融緩和のバランスが今後の焦点とされる。
コモディティ市場では明暗分かれる
金は3日続伸し、安全資産需要の高まりを象徴した。一方で原油はOPECプラス諸国の増産観測と需要鈍化への懸念が重なり下落。国際エネルギー機関(IEA)が世界の供給増を発表したことも、相場を押し下げた。