政策期待と過熱感のはざま、5万円目前で反落も

河本 尚真
经过
読了目安: 5 分

高市トレードで序盤から急伸

21日の東京株式市場で日経平均株価は2日連続で史上最高値を更新し、終値4万9316円06銭を記録した。新首相に就任した高市早苗氏の積極財政方針への期待から買い注文が殺到し、午前中は700円超の上昇で5万円台目前に迫った。

新政権の経済路線が市場を刺激

高市政権の誕生により、景気刺激を目的とした拡張的な財政政策や金融緩和の継続が見込まれている。特にAIやエネルギー関連分野への政府支援が意識され、関連銘柄が買われた。市場関係者の間では「高市トレード」と呼ばれる動きが広がっている。

午後に失速、利益確定の動き広がる

一方で午後に入ると、短期的な過熱感を警戒した利益確定売りが膨らみ、一時マイナス圏に転じた。国内年金基金などの売りも観測され、値動きは不安定となった。特に半導体関連や機械株で売りが強まり、上げ幅を縮めた。

市場の強さを示す取引高

TOPIXはわずかに上昇し3249.50と過去最高を更新。東証プライム市場の出来高は22億4027万株、売買代金は6兆円超に達した。取引量の多さは、投資家が依然として市場に積極的であることを示している。

市場の焦点は政策実行力に移行

高市政権の発足を受け、市場の関心は政策の具体的な実行に移りつつある。短期筋の売買が落ち着いた後は、財政拡張策の実効性や企業収益の持続性が焦点となる。今後の経済指標や補正予算の動向が相場の方向性を左右するとみられる。

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