押し目買いの動きとディフェンシブセクターの台頭が確認
10月23日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅に下落したものの、前場の時間帯には下げ幅が縮小する動きが出ていた。10時時点で日経平均はおおよそ650円安の4万8600円台後半で推移しており、押し目買いやディフェンシブセクターへの資金シフトが確認された。
半導体関連株の下落が指数を圧迫
指数下落を主導したのは半導体関連銘柄だった。米国ハイテク株の決算鈍化や、米中摩擦の不透明性が輸出・設備投資関連株の重荷となり、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループなどが軒並み3~4%超の下落。これが日経平均の大幅安の一因となっている。
短期筋の押し目買いが下支え要因に
しかしながら、前場では海外の短期筋と思われる投資家が日経平均先物を通じて自律反発狙いの買いを入れた模様で、下げ一服の要因となった。売り一辺倒ではなく、押し目を狙った買いが場面によって優勢となったことで、相場の下げ渋りが見られた。
ディフェンシブ株への資金移動が浮上
下落局面に対して、食品、不動産、パルプ・紙などディフェンシブ性の高い業種が買われる動きが強まった。「日経平均が5万円近辺まで上昇していたため、急速な上昇に対する調整が起きている」という証券ストラテジストの指摘もあり、リスク回避色が出始めたことがうかがえる。
調整局面での資金の流れを注視
市場関係者は、これまでの上昇トレンドが一巡した可能性を指摘している中、今後は「どのセクターに資金が再配分されるか」が焦点となる。特に、主力ハイテクからディフェンシブへのシフトや、短期売買筋の動向に資金が左右される状況も浮上している。リスク許容度の低下が進めば、ディフェンシブ優位の相場構造がさらに鮮明となる可能性もある。