東京市場、続伸で終値ベースの最高値を更新
10月30日の東京株式市場は続伸し、日経平均株価が前日比17円96銭高の5万1325円61銭となった。終値として2日連続で最高値を塗り替えた。米国のハイテク株高を背景に投資家心理が改善し、東京エレクトロンやレーザーテックなどの半導体関連株が相場を牽引した。一時350円近く上昇する場面もあったが、取引終盤にかけて利益確定の売りが増えた。
日銀が金利据え置き、円安進行で輸出株に買い
日本銀行が政策金利を維持したことで、円安が進み、輸出関連企業の業績改善期待が高まった。外国為替市場では円が一時151円台まで下落し、トヨタやソニーグループなど輸出企業に買いが入った。市場では「金利差を意識したドル買いが再び強まった」との見方が広がっている。
過去最大の売買代金、投資熱高まる
東証プライム市場の売買代金は約10兆円と過去最高を記録した。TOPIXも3300.79ポイントまで上昇し、幅広い銘柄で買いが入った。特に非鉄金属や鉱業など資源関連株への投資が目立った。東証グロース市場も反発し、新興企業への資金流入が再び活発化している。
利益確定売りで上昇幅は限定的
ただし、前日の急騰の反動もあり、取引中盤以降は利益確定売りが優勢となった。株価の割高感が意識され、陸運や情報通信といったセクターでは売りが先行した。市場では「短期的には過熱感がある」との声が多く、今後の相場は調整を挟みながら推移する可能性が指摘されている。
投資家の注目は植田総裁会見へ
取引終了後に予定された日銀・植田和男総裁の記者会見に注目が集まった。金融政策の方向性や追加利上げの時期を見極めたい投資家が多く、慎重な取引姿勢が続いた。市場関係者の間では「12月または1月の利上げの可能性は変わらない」との見方が支配的である。