日経平均が3日ぶり反発、主力株に買い戻し集中

河本 尚真
经过
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米株反発を受け投資心理が改善

6日の東京株式市場で日経平均株価が3日ぶりに反発し、終値は5万0883円68銭(前日比671円41銭高、+1.34%)となった。前日の米国市場ではNYダウが225ドル高となり、ハイテク株の下げが一服したことが投資家心理の改善につながった。朝方から主力株を中心に買いが入り、上げ幅は一時1000円超を記録した。

ただ、午前の取引後半には利益確定売りが強まり、上値は重い展開となった。外国為替市場で円高方向へ振れたことも重しとなり、午後には伸び悩んだ。

決算発表銘柄を中心に個別物色が進展

東京市場では、4〜9月期の決算発表シーズンが本格化するなか、好業績を発表した銘柄に買いが集まった。ダイキン工業は2026年3月期の純利益見通しを上方修正したことが好感され、8%高。コニカミノルタも市場予想を上回る業績を発表し、一時17%高を記録した。

また、フジクラやアドバンテスト、日立製作所などAI関連・電子部品株にも買い戻しが入り、上昇をけん引した。特に日立製作所はAIデータセンター向け設備需要の拡大を背景に6%高と堅調だった。

値上がり銘柄が6割を占める構成

東証プライム市場全体では、値上がり銘柄が987、値下がり銘柄が570と全体の約6割が上昇した。非鉄金属や機械、銀行業が上昇率上位となり、海運業や鉄鋼は軟調だった。TOPIXも45.16ポイント高の3313.45と、3日ぶりに反発した。

一方、東証グロース250指数は703.06ポイント(5.47ポイント安)と3日続落し、成長株には依然として売りが目立った。

市場関係者の見方と今後の焦点

市場では、前日の急落に明確な理由がなかったことから、米株の落ち着きが日本株反発を誘ったとの見方が多い。大和証券の坪井裕豪氏は「米国市場の冷静化が日本市場の安心材料となった」と分析した。ただし、前日の1284円安を埋めるまでの勢いは欠くとの指摘もあり、依然として不安定な値動きが続いている。

今後は、企業決算の内容や為替動向、そして米経済指標の発表が相場を左右するとみられる。特にハイテク関連株を中心に、値動きの振れ幅が大きい展開が当面続く可能性がある。

主力株の動きと個別銘柄の明暗

個別では、ソフトバンクグループやアドバンテストが日経平均を押し上げ、フジクラ、ダイキン、ファーストリテイリングが続いた。これら5銘柄の指数押し上げ効果は合計約451円に達した。

一方で、日本郵船や日本製鉄など景気敏感株は下落し、ニチコンは業績下方修正を嫌気して急落、日本板硝子はストップ安となった。取引全体の売買代金は6兆9040億円、出来高は28億1347万株と活況を維持した。

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