NY市場で株全面安、為替はドル高進行が鮮明

滝本 梨帆
经过
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米株式が下落基調を強めた状況が判明

17日の米国株市場では、主要指数がそろって急落し、一日を通して弱含みの展開が続いた。利下げ期待の後退に加え、政府機関の閉鎖によって滞っていた統計の公表再開を控え、市場では慎重な姿勢が広がった。S&P500とナスダック総合は、4月以降支えとなっていた重要な指標を割り込み、下落幅を広げた。ハイテク株への売りが目立ち、投資家心理は回復しないまま、NYダウは前日比で500ドル超安となった。

為替市場でドル買いが優勢となった影響

為替市場ではドルが主要通貨に対して堅調に推移した。米経済指標の改善が確認されたことで12月の利下げ観測が後退し、ドル買いが広がった。ドル・円は155円台前半で取引され、約9カ月ぶりの円安水準が続いた。日本の7〜9月期GDP速報値が実質マイナス成長となったことは判明したが、市場の反応は限定的で、投資家の関心は米国の統計再開に集まっている。ユーロ・ドルでもドル高基調が継続し、ユーロは弱含む展開となった。

債券利回りが低下し市場の焦点が雇用統計に集約

米国債市場では長期金利が小幅に低下した。閉鎖の影響による統計発表の遅れが続く中、米連邦準備理事会の12月会合に向けた金融政策判断を見極めようとする姿勢が広がった。特に20日に公表予定の9月雇用統計が市場の関心を集めている。JPモルガンは雇用者数が5万人増になるとの予想を示し、労働需要の基調改善を指摘した。

商品市場で金と原油が下落した影響

金先物はドル高の進行と利下げ観測の後退が圧力となり、3営業日連続で下落した。中心限月は1オンス=4074ドル台となり、前週末から値を下げた。NY原油先物も弱含み、WTIは1バレル59ドル台後半で終了した。アジア市場で下落した後、米国時間に一時反発したものの、買いは続かず、地政学リスクを意識した動きも一巡した。

個別銘柄の動向が市場に影響

個別企業ではアルファベットが上昇し、過去最高値を更新した。バークシャー・ハサウェイが保有比率を示したことが買い材料となった。半導体関連は売りに押され、エヌビディアは著名投資家の保有売却が伝わったことで下落した。アップルも経営トップの後任に関する報道を受けて下げた。VIX指数は23台に上昇し、投資家の警戒感を示す水準となった。

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